交通事故には,被害者が怪我をしてしまう人身事故と,被害者に怪我はなく自動車や建物だけに損害が発生する物損事故の2種類があります。
人身事故の場合に,相手方に請求できる損害は,次のとおりです。
① 積極損害(被害者が事故が原因で実際に支払った損害)
治療費,通院交通費,入院雑費,付添看護費,義足や車椅子などの装具費,家屋等改造費,将来の手術費,葬祭関係費,弁護士費用などがあります。
② 消極損害(被害者が事故により失った損害)
休業損害,後遺障害による逸失利益,死亡による逸失利益などがあります。
③ 慰謝料(被害者が事故により被った精神的な苦痛を補うためのお金)
通院慰謝料,後遺障害慰謝料,死亡慰謝料などがあります。
物損事故の場合に,相手方に請求できる損害は,次のとおりです。
① 積極損害
車両が修理可能の場合には,修理費,事故車両となってしまうことによる評価損(格落ち)などがあります。
他方,修理が不可能の場合には,事故当時の時価相当額,車両の買換え諸費用などがあります。
また,修理の可否に関わらず共通するものとして,レッカー代,代車代,着衣損害などがあります。
② 消極損害
営業損害,休車損害などがあります。