人が亡くなると、その人が有していた遺産は、相続人によって相続されます。 複数の相続人がいる場合、相続人間で仲良く遺産の分割方法について話し合いができればいいのですが、元々兄弟間の仲が悪い等、被相続人の死後、相続人たちが被相続人の遺産の分割方法について争うことが予想される場合には、無用な争いを防ぐために、予め遺産の分割方法について遺言書を作成しておくことをお勧めします。
遺言者が遺言書の全文・日付・氏名を自書し、押印することによって成立する遺言をいいます。
◆注意点
パソコン等で打たれたものや、ビデオ等の動画で撮った場合も無効です。
2人以上の証人の立会のもと、遺言者が公証人に遺言の内容を説明し、公証人がそれを文書化した上で遺言者と証人に読み聞かせる等して、遺言者と証人がその内容が正確なことを確認した上で、各自署名押印し、公証人も署名押印する方式をとる遺言をいいます。 公正証書遺言は、基本的には全国各地にある公証役場に行って作成することが多いのですが、遺言者が入院中の場合等には、公証人が出張してくれる場合もあります。
◆注意点
遺言の証人には、未成年者や推定相続人はなることができません。
(1)遺産となる財産の特定
預貯金の場合は、銀行名、支店名、預金の種類、口座番号を明記することが望ましいです。「私の全財産」等という書き方の場合、相続人が被相続人の遺産を全て把握できなければ、遺産に漏れが生じるおそれがあります。 また、不動産の場合も、登記簿の記載どおりに記しておくことが望ましいです。
(2)全ての財産の分割方法を指定
相続人間で争うことのないよう、遺言を作成した時点で判明している全ての財産の分割方法について指定しておくことをお勧めします。 ただ、不動産だけは相続人の1人に取得させたいという希望があり、その他は法定相続分にしたがった分割で構わないといった場合は、特定の財産の分割方法だけ指定して、それ以外の財産については法定相続分にしたがって分割するよう指定しても構いません。また、指定のない残りの財産については全て配偶者等相続人の1人に取得させる、という遺言でもいいでしょう。
(3)遺留分に注意
預貯金の場合は、銀行名、支店名、預金の種類、口座番号を明記することが望ましいです。「私の全財産」等という書き方の場合、相続人が被相続人の遺産を全て把握できなければ、遺産に漏れが生じるおそれがあります。 また、不動産の場合も、登記簿の記載どおりに記しておくことが望ましいです。
相談料 初回無料(1時間)
弁護士費用 10万円~
※公正証書遺言作成の場合、別途公証役場に支払う手数料が必要になります。
※着手金及び報酬金の他、実費(郵便代・手数料・交通費等)がかかります。
遺言書を作成したいと考えているのですが、自分で書いてはいけませんか。
民法で定められている要件を満たせば、自筆証書遺言は有効です。ただし、せっかく遺言書を作成しても、後で有効性を争われてしまっては意味がありません。有効性を争われないためにも、公正証書遺言を作成することをお勧めします。
例)遺言者が亡くなった後、遺言書通りにきちんと遺産を分割してもらえるか不安である。
例)父の晩年、父の身の回りの世話と財産管理をしていた兄が父の財産を開示してくれず、亡くなった父に預貯金や生命保険等の遺産がいくらあるのかわからない。
例)兄弟や親戚と疎遠であり、他の相続人がどこに住んでいるのかわからない。
例)絶縁状態にあった父が亡くなったが、資産より負債の方が多いので相続放棄したい。
例)父が亡くなったが、財産は全て母が相続する予定であり、自宅の名義を父から母に変更したい。
例)他の相続人と折り合いが悪く、分割割合や誰がどの財産を取得するかで揉めている。
例)相続人同士で遺産の分割方法については合意できたが、相続人が皆高齢であるため銀行で預貯金の払い戻しの手続を行うことが難しい。
例)相続人同士で遺産分割協議が整わず、遺産分割調停を申し立てることになったが、自分1人では不安である。
例)遺言によって他の相続人らに全ての遺産が相続されることになったが、最低限の取り分(遺留分)を請求したい。